Aライン・半袖ワンピースの作り方




タオルはパープル以外にこんな色があります。ブラウンもあります。赤があればかなりリロに似るんですけどね。
ちなみに、我が家のフェイスタオル(左の写真)はすでに20回はお洗濯をしていますが、ケバ立ちやループの傷みはありません。これで148円。Good♪



ウチのトルソーの80cmサイズは、「70・80兼用サイズ」です。なので極力80cmサイズに近くなるように
肩パットその他で補正してあります。Girl's Cのページのパープルのワンピースの出来上がり写真は
衿ぐりがトルソーから少し浮いて見えますが、この補正のためです。



   パターンのアレンジです。【作例:80サイズM丈】 型紙をトレースします(実線)。
   ウエストのところに約0.5cm加えて脇のラインをゆるやかにします(点線)。 
   裾のところで脇から約1.5cmをカットして、ウエストの下から直線で結びます(点線)。
   どのくらいの長さのスカート丈にするかはお好みなので、それによりカットする幅を調整してください。

                


                                             110cmサイズの場合はウエストの脇のラインに0.8cm加えます。
                                           裾は約2.0cmカットしてウエストの下から直線で結びます。

       140cmサイズの場合はウエストの脇のラインに1.2cm加えます。 
       裾は約4.0〜6.0cmカットしてウエストの下から直線で結びます。

              

                                             脇線をカットした後、裾線が不自然なつながり方になっていたら修正します。
                                                @前身頃と後ろ身頃の脇をカット。点線が新しい脇線。
                                                A前の新・脇線と後ろの新・脇線を重ねて置く。
                                                B裾線のつながり具合を確認して、自然なカーブを描く。点線が新しい裾線。






左から順に 80サイズ(ピンク)、 110サイズ(イエロー)、 140サイズ (生成りシーチング) すべてミディ丈

上記のアレンジ例の寸法で作図して作っています。140サイズは生地幅の関係で、前中心で縫い合わせをしております。




【作例:80サイズM丈】



使用したタオルは「ジャンボバスタオル」です。大きさは70×140cmで580円(税別・送料別)。
110cm幅の生地で作る場合での用尺は、差し込み(P.10)無しでも70cm程度。
80サイズは生地が少なくていいですね。10cm100円前後の生地でも700円位です。
タオルを使用する場合、丈が長めで生地が足りなくなりそうだったら、端の縫い目をほどいて
スカートの裾の縫い代にすると2cm位の余分が出来ます。



身頃は肩と脇にロックミシンをかけます。


身頃の脇にロックミシンをかけた状態です。下の脇は端がヨレヨレになっています。
ロックをかけると端が伸びますが、このくらい(下)の伸びならアイロンをかければ綺麗におさまります(上)。





ファスナー脇の縫い代は、ファスナーの上げ下げで負荷がかかる箇所なので、接着テープを貼っておくと安心です。
今回は1.5cm幅の縫い代に1.2cm幅の接着テープを貼って(上)からロックミシンをかけました(下)。
生地によって、伸びやすいものは出来上がり線の内側まで貼るとゆがみが抑えられると思います。





後ろ身頃の中心をナカオモテで合わせます。直線の場合は端を揃えれば、ピン(写真のブルーのピン)を打つだけで
しつけで縫わなくてもミシンがかけられます。縫い代は1.5cmなので、端から1.5cmのところにミシンをかけます。
左側が身頃の裾です。ピンクのピンのところがファスナーのあきどまりです。あきどまりより上は粗い縫い目(0.4cm以上)で縫い、
あきどまりは返し縫いをして、あきどまりより下は普通のミシン目(0.2cm程度)で縫います。





縫い代をアイロンで割ります。コンシールファスナーの両側に、0.5cm幅のアイロン接着テープを貼ります。
ファスナーの素材は熱に強いとは言えないので、アイロンの温度は中程度で。アイロンをかけると微妙に縮むので、
接着テープを貼る前に一度ファスナー全体にもアイロンをかけてからのほうが、接着テープが綺麗に貼れます。
剥離紙をはがしておきます。





P.40「コンシールファスナーの薦め」の欄で説明したファスナーの付け方です。
本では「袖まん」の上でやるように書いてありますが、このワンピースはまだ脇を縫っていないので、アイロン台の上で出来ます。
アイロン台の上に、縫い代を割った後ろ身頃(裏面)を置き、後ろ中心の割り線の両脇に、割り線から1cmの幅で、2〜3cm間隔で
ピンを打ちます(ピンクとブルーのピン)。白いピンは衿ぐりの出来上がり線から0.7cm下がった点(つまり布端から1.7cm)です。
剥離紙をはがしたファスナーを裏向きにして、ピンの間に置きます。この時ファスナーのムシ(P.11 用語参照)の頭が
白いピンの高さに合うようにおきます。コンシールファスナーの幅は大体2cmなので、こうすることでファスナーの中心と
後ろ身頃の中心(割り線)を合わせることが出来ます。





2cm幅のピンの間にファスナーを置いたまま、別のピンをファスナーのムシの脇に刺します。
刺し終わったら、最初に打ったピンを抜きます。これでファスナーにアイロンがかけられます。
ファスナーの裏面にアイロンをかけて、接着テープでファスナーを貼ります。
生地によっては、これだけだとあまりしっかり付かない場合もあるので、ムシのきわをしつけ糸で縫っておくとズレずに安心です。
慣れない方ほど、しつけをちゃんとしたほうが失敗が少ないので、出来ればしつけをしたほうがいいと思います。
このタオル地は、意外にもかなりしっかり付いたので、しつけはしませんでした。





左側が身頃の裾です。ピンを刺してあるところがあきどまりです。接着テープでファスナーを貼ってあるのはここまでです。
しつけをする場合も、しつけ糸で縫うのはここまでです。コンシールファスナーの金具は、買ったばかりの時は
移動が可能です。あきどまりまでの長さ+2cm以上の余裕があるファスナーを購入してください。





接着テープでファスナーを貼り、場合によってはしつけをしたら、最初に縫ったあきどまりより上の粗ミシン(縫い目0.4cm以上)を
リッパーや目打ちでほどきます。写真は糸くずもそのままになっていますが、勿論これは全部綺麗に取り除きます。





ファスナーのスライダー(上げ下げする金具)を、あきどまりより下までさげます。ピンが刺さっているところがあきどまりです。





どちらが先でもいいのですが、写真は左身頃(表面)側です。コンシール用のファスナー押さえは
ミシンの機種によって違います。我が家のミシンのファスナー押さえは、写真のように針が通る穴があいています。
縫う前に、上糸をこの穴に通してから縫い始めます。ファスナー押さえの、向かって左の「みぞ」に、
ファスナーのムシを挟み、ムシを起こしながら縫っていきます。



本に書いたように、このムシの起こし加減は、経験しないと分かりません。
ムシの起こし方が甘いと、表側から見た時に布の間にファスナーが見えてしまいます。
あまりムシのきわギリギリに縫いすぎると、ファスナーの上げ下げがしにくくなります。
出来ればいきなり本番の服でやるよりも、いらない布でファスナー付けを練習してから臨んでください。


左の身頃を下のほうまで縫ってきたところです。ピンを打ってあるのがあきどまりです。
このピンのところまで縫って、返し縫いをします。





右身頃側を上から縫ってきたところです。この時はファスナー押さえの
向かって右の「みぞ」にファスナーのムシを挟んで縫っています。
ピンを打ってあるところがあきどまりです。こちらはあきどまりの2〜3mm上で縫い止め、返し縫いをします。
右でも左でもいいのですが、片方をあきどまりまで縫ったら、もう片方は少し上で縫い止めます。
こうしないとスライダーを上にあげることが出来ません。
                                                                  このミシンの年季の入り方がお恥ずかしい(^^;





ピンを打ってあるところがあきどまりです。
スライダーを上にあげたら、金具をあきどまりまで引きあげます。
金具をペンチで強く挟んで、動かないように固定します。





後ろ身頃(表面)です。ファスナーのスライダーは一番上まであがっています。
このように、後ろ身頃の右と左の生地のあいだからは、ファスナーが見えないように付けます。
綺麗に付けられるようになるのは練習あるのみです(^^)♪





前身頃と後ろ身頃の肩をナカオモテで合わせて縫います。
端を揃えれば、ピンを打つだけでしつけ無しで縫えます。縫い代は1cmなので、布の端から1cmのところをミシンで縫います。





肩の縫い代を割ってアイロンをかけます。





袖の裏面です。このように袖山が緩やかな袖は、シャツスリーブのやり方で作れます。
(袖を身頃に付けてから、袖下を縫う方法)。アームホールが小さいぬいぐるみの服も、このやり方の方が縫いやすいです。
袖は袖下にロックミシンをかけます。袖口は伸びやすい生地でなければ特に接着テープを貼らなくてもいいのですが、
身頃の脇のように、端がヨレヨレになるのが嫌なので貼りました。貼った上からロックミシンをかけています。





身頃に袖を付けたところです。こういう曲線はしつけをしてからミシンがけをした方が失敗がありません。
ピンが刺さっているところが袖の脇の出来上がり線です。ちょっと見えにくいのですが、ミシンの縫い線は
このピンのところまで縫ってあります。ピンのところで返し縫いをします。





身頃と袖の縫い合わせの縫い代に、ロックミシンをかけます。ロックの糸の端の処理は、
ロックの糸を毛糸針に通して、ロックミシンの縫い目に針を入れて通し、端を隠します。





袖の裏面です。袖口(縫い代2cm)をアイロンで折っておきます。





袖下から身頃の脇を続けて、ナカオモテで端を揃えて縫います。
上(ピンクのピンのほう)はまだ縫い代を割っていない状態です。下(ブルーのピンのほう)は縫い代を割ってあります。
共に、わきの下の縫い代(ピンが刺さっている箇所)を袖付けの縫い代にまつり縫いして、浮かないようにします。





身頃の裾(裏面)です。裾の始末をします。
袖口同様、端がヨレヨレになるのが嫌なので接着テープを貼りました。
1.5cmの縫い代に、1.2cm幅のテープを貼っています。貼った上からロックミシンをかけます。
ロックミシンでなくジグザグミシンで端の処理をする場合も、タオル地は端がほつれやすいので
接着テープを貼ったほうが綺麗に始末できると思います。





タオル地は厚みがある分、裾あげをミシンで縫うとミシンの縫い線がくっきり目立ってしまうので、出来れば手縫いでまつり縫いをします。
また、このような柄の場合、糸の色は「白か紫か」迷います。縫い線を目立たせたくはないけれどまつり縫いが面倒という時は
裾あげテープが便利です。今回は両面接着テープ(ファスナー付けで使ったもの)の1cm幅のものを使いました。
この生地のいらない部分で試し貼りをしてから剥がそうとしたら、結構しっかり付いていたので、裾上げはこれでOKです。
薄い生地の場合、裾あげテープを貼ると表側にアタリが出てしまう(P.11 用語参照)ので、やはりまつり縫いのほうが仕上がりが綺麗です。
裾あげテープ、接着テープを使った場合でも、後ろ中心と脇の縫い代だけでも、写真のようにまつっておくと安心です。



衿ぐりに見返しを付けます。今回はタオル地なので、同じ生地で見返しを付けると衿ぐりに厚みが出てしまうと思って
薄手のジャージを使いました。表布が普通の木綿などであれば、見返しは同じ生地を使ってください。
本にも書きましたが、見返しは前身頃と後ろ身頃を続けて裁っても特に問題はないと思います。


写真の型紙の文字はちょっと見づらいかもしれませんが、衿ぐりの縫い代は0.8cm取っています。
見返し線は、衿ぐりから3.5cm幅で描いています。裏布を付けないので、見返し線の縫い代はなしです。
見返しの後ろ中心は、表布の後ろ中心が裁ち線です。縫い代は付けません。
見返しは接着芯を貼って、見返し線でロックミシンをかけておきます。
ロックミシンがない場合は、見返しに0.5cmの縫い代(折り代)を付けて、端を折り端ミシンをかけます。



P.34下段の衿ぐり見返しの説明です。



身頃の衿ぐりの端と、見返しの衿ぐりの端を合わせてピンを打ち、出来上がり線にしつけをします。
このファスナーは裏面です。ブルーのピンを打ってあるところが後ろ中心です。
見返しの後ろ中心は、端から0.3cmで折り返します。ここまでしつけをしたら次の工程です。




上の写真のブルーのピンのところで、身頃の後ろ中心の縫い代を手前に折り返します。


そのまましつけを端まで続け、衿ぐりの出来上がり線の0.2cm縫い代側をミシンで縫います。



見返しの衿ぐり縫い代をミシン線から0.3cmくらいでカットします。


タオル地はほつれやすいのと、この生地は切り込みを入れなくてもカーブの縫い代を折り返せたので、
見返しの縫い代を細くしただけで、表布はそのまま裏返しました。
普通の木綿などの伸びにくい生地では、衿ぐりのカーブには縫い代に切り込みを入れてから表に返すのが基本です。
切り込みを入れたら、ミシン線にアイロンをかけて表布側に折ってから、表に返します。



表に返したら、衿ぐりは0.1cm控えてアイロンで形を整えます。
(「控える」=裏布側から見た時に、端から表布が少し(0.1cm位)はみ出して見えるように作るやり方。)


ファスナー脇と肩のところ(ピンを打ってある箇所)で、見返しを縫い代にまつります。
この生地のように厚みがある場合は表側に縫い跡が目立たないので、見返しの前中心の裾も
身頃にまつっておくと見返しが表側に出てきにくくなります。
衿ぐりから0.2〜0.5cmのところを星止め(P.34)しておくと、衿ぐりから見返しが浮かなくて綺麗な衿ぐりが出来ます。


とても着心地が良さそうなワンピースが出来ました。キャラクター服としてでなくても、汗をかく夏に普段着として
活躍しそうです。裾あげで使ったアイロン接着の両面テープが、どのくらいのお洗濯に耐えられるかは実験しておりません。
長年洋裁をしていての実感ですが、「一番信頼できるのは手縫い」です。裾あげの仕上がりはやはり丁寧なまつり縫いが
一番綺麗ですし、接着テープのように「剥がれるかもしれない」という心配はありません。。




リロの葉っぱ模様の図案です。リロの服で葉っぱを比較的正面から撮影できた写真をコピーしてトレースしたものです。
「リロの模様と全く同じ」というわけにはいきませんので、ご了承くださいませ。
服のサイズにより、拡大コピーしてご利用ください。




葉っぱ模様の作り方

 ご質問で時々いただくのが「リロと同じ生地って売っていないですか?」ですが、
 同じものも似ているものも、私が知っている限りではありません。
 リロの服を作ろうと思ったら、模様作りから始めなければなりません。

 無地の布に葉っぱを付ける方法です。葉っぱの素材の条件は
 @切りっぱなしでもほつれない生地であること
 A可能であれば周りを縫わずに、無地の布に貼れるものであること

         1.アイロン接着フェルト
           @Aともに条件に合っていますが、
           ・15×15cmと、サイズが比較的小さい(大きなサイズもあるかもしれませんが未確認です)。
           ・フェルトならではの「生地の厚み」があり、アップリケのようになってしまいがち。

         2.体操着用のゼッケン
           @Aともに条件には合っています。
           ・メーカーにより、サイズは1枚15×25cm前後。
           ・生地に厚みはないが、1着に貼る葉っぱの数を考えると費用がかかる。


         3.切りっぱなしOKの生地+アイロン接着シート
           ・切りっぱなしOKの生地の裏にアイロン接着シートを貼ってから葉っぱの形に切り抜き、
            赤無地の布の上にのせてアイロンをかけて貼ります。
            「アイロン接着シート」は、上記のファスナー付けの欄に出てきた「アイロン接着テープ」のシート版です。
            使い方はテープと同じです。切りっぱなしでも端がほつれない生地さえ見つかれば、これを使えば
            無地の布に貼ることが出来ますが、生地代とシート代で費用がかかります。
            1と2の方法だと葉っぱの大きさに制限ができてしまいますが、このやり方なら比較的
            大きな(大人用でも)サイズの葉っぱでも作ることが出来ます。


 ちなみに私は3の方法で、「切りっぱなしOKの生地」はエナメルの裏を使いました。エナメルのつやつやした面に
 アイロン接着シートを貼り、エナメルのざらざらしたほうが表側になるように赤い布の上に貼りました。
 今思うと、エナメルよりももっといい「切りっぱなしOKの生地」があったんじゃないかなぁと思います。2WAYとか・・。高いけど。